新型コロナと災害対応、情報発信連携の可能性①:双方の支援制度の違い

新型コロナ禍が収束しない中、新型コロナ対策関連の支援制度について、さまざまな国、自治体の方とお話することが多くなりました。
一方、大雨、台風シーズンを迎え、台風や水害、そして地震などの災害関連の支援制度に関しても、同じく国、自治体の方からお話いただくことも増えてきています。

そうした中で、「新型コロナ対策」と「災害対策」双方の支援制度に関する情報発信を連携して行うべきというお話を、ほぼ同時に伺いました。

今回は、「新型コロナ対策」と「災害対策」双方の支援制度に関する情報発信の連携可能性と、その実現のために注意すべきポイントについて、お話したいと思います。

なお、今回は”支援制度”に関するお話です。支援制度以外にも、新型コロナの場合は患者数、災害関連では大雨に関する降雨量など、時々刻々変わる最新情報(アスコエ内では、フローデータと呼んでいます)があります。
また、新型コロナの予防策や、地震や津波が起こった際の避難の心得などさまざまな予備知識的情報(アスコエ内では、情報啓発系コンテンツと呼んでいます)もあります。
こうした情報も極めて大切ですが、今回は、「支援制度」に関する情報発信を中心にお伝えします。

新型コロナ、災害対応に関する今までのアスコエの取り組み

アスコエは、新型コロナウイルス感染症が拡大した最近では、「東京都新型コロナウイルス感染症支援情報ナビ」(https://covid19.supportnavi.metro.tokyo.lg.jp/)や、「京都市新型コロナウイルス感染症対策事業者支援ナビ」(https://kyoto-city.wincovid19.jp/)を構築しました。
他方、地震や大雨など自然災害に関する支援制度とも関連性が深く、2011年東日本大震災の際は、復旧復興支援ナビ(http://www2.fsnavi.jp/Simin/Index.aspx)を、最近では千葉市の「千葉市被災者支援ナビ」(https://chibacity.fsnavi.jp/)や、広域連携型の「常総市・つくば市 被災者支援ナビ 」(https://joso-tsukuba.fsnavi.jp/)を構築しました。

新型コロナウィルス、災害対応支援制度の違い

まず、新型コロナウイルス感染症に対する支援制度と災害に対する支援制度の違いについてお話します。双方の支援制度は、もちろん異なります。またそれぞれの制度の傾向も異なります。

ちなみに、現時点でアスコエが収集した新型コロナ関連の支援制度は、合計147件、うち事業者向け支援制度は96件(65%)、個人向けは51件(35%)です。
対して、地震や台風、水害などの災害関連の支援制度は、合計127件、うち事業者向け支援制度は45件(35%)、個人向けは82件(65%)となっています。(2020年6月現在、アスコエ調べ。国の支援制度が対象)

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このように、新型コロナウイルス感染症対策の支援制度は経済的に打撃を受けた事業者向けが中心となっています。具体的には無利子・無担保融資や持続化給付金、ものづくり補助金といった、経済対策に軸足が置かれています。国の第2次補正予算が6月に成立したことを受け、報道でも注目されている家賃支援給付金の創設や、農林漁業者の経営継続補助金の創設、既存の雇用調整助成金の更なる拡充が予定されています。

一方、地震や台風、水害などの災害に対する支援に関しては、住民向け支援制度が多い印象があります。自宅が壊れるなどの被害を受けた方々への支援や、就業、就学を継続するなど住民の暮らしを守るための支援が中心です。

まずは、双方の支援制度の概観を理解することが出発点

ちなみに、こうした双方の支援制度の差異を、よく理解していない自治体ご担当者様がいらっしゃることには、しばしば驚かされます。
「そもそも支援制度は少ないのではないか?」「どちらも事業者向けが中心ではないか?」などの誤解が、まだまだ多いような印象を私は受けています。

後述しますが、まさにこういった観点からも、新型コロナに関する支援制度、災害に関する支援制度が、どういった特徴をもっているかという点をあらかじめ確認しておく事前の”備え”が、まず大切かと思います。

さらに、自治体職員の方々と協働しながら、これらの災害関連支援制度情報サイトを構築する中で、新型コロナ対応と災害対応の支援制度には相互に関連があり、“有事に備える”という点から、双方を連携して準備することに大きなメリットがあることを改めて感じています。

以上、今回は新型コロナと災害対応に関する支援制度についての違いについてまとめてみました。
続いて、双方の共通性、連携することの可能性について説明してみようと思います。